主な事業内容

地下かんがい

地下かんがいシステムの活用

 地下かんがいは、用水路と暗渠排水上流部を接続し、かんがい用水を注水することによって、暗渠管を通じて地下水位を上昇させ、作土層内に水分を供給する方式です。
 下の図のように、注水されたかんがい用水は、暗渠(吸水渠)から疎水材を通り、補助暗渠や 亀裂内などの、水が移動しやすい部分を伝わって土中を広がります。また、作土層への水分供給は、毛管上昇によっても行われます。

地下かんがい施設概要

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地下かんがいによる水の流れ

引用:土地改良事業計画設計基準

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"地下かんがい"に期待される効果として、主なものを整理しました。

水田利用の場合
  • 代かき時や登熟期に、表面取水と併用して使用することで、適正な水分管理(均一化)と取水時間の短縮が可能
  • 直播栽培における生育初期の水管理(浅水管理)に有効
  • (※実証試験中)出穂期以降の窒素吸収を地下かんがいにより制御することで、低タンパク米を生産する技術試験を実施している
畑利用の場合
  • 干ばつ時における作物への水分供給
  • 茎葉が濡れないこと、土の飛散がないことによる、病害発生リスクの回避
  • 農作業機械による、管理作業の制約が少ない
  • 集中管理孔を利用することで、新たな散水かんがい施設を整備しなくても対応できる(コスト減)
  • 水が移動するための亀裂(水みち)の形成による排水性の向上

平成19年度の受託研究事業で、『集中管理孔を利用した地下かんがいの手引き』を作成しました。

集中管理孔を利用した地下かんがいの手引き

地下かんがいによる汎用耕地化の実証試験

 地下かんがいとは、暗渠管にかんがい用水を注水し、地下水位を上昇させ、作物の根域に水分を供給するものです。
 水田には、ほ場の排水性を良くするために、地中に暗渠管が埋設されています。通常暗渠は、地表水や地下水を速やかに排除するために設置されています。この暗渠管にかんがい用水路を接続して、地下から水を供給し土壌中の水分を適切な状態にコントロールする方法が地下かんがいです。

麦・大豆等本作化に伴う輪換畑における地下かんがい試験

 食料自給率の向上にむけた麦・大豆等の本作化により、輪換畑での麦・大豆の作付が本格化している。
 (独)農業工学研究所では、輪換畑での小麦・大豆の作付に対し地下かんがいの試験を実施したところ、大豆に対しての地下かんがい効果が確認され、新聞でも報道されている。
 その試験結果では、狭畦栽培の大豆に地下かんがいを実施し、地下水位を深さ30~55cmに維持することで、対照区(340kg/10a)に比べ15%以上の増収効果を得ている。さらに、弾丸暗渠を密に(2~3m間隔)施工した場合、暗渠直上で500kg/10aを超える多収が確認されている。
 また、深川市の深川土地改良区管内でも、昭和63年(1988)から平成2年(1990)に地下かんがい試験が実施されており、小豆や小麦での増収効果(約20~30%)が確認されている。

 地下かんがいの手法確立には次の視点が重要となる。

  • 地下水位コントロールの条件(土壌条件、弾丸暗渠の施工、用水量など)
  • 増収効果(地下水位を維持することの作物への効果)
  • 普及の可能性(導入コスト、必要水量など)

本研究は、輪換畑での大豆作付ほ場で、地下かんがいの手法確立にむけた基礎データの収集を目的とする。