IT技術の農業利用
IT技術を活用した農業
冷害軽減のための水稲栽培環境モニタリングシステム
安価な気象モニタリングシステムの構築
北海道の稲作では数年に一度冷害が発生します。最も効果的な対策は、幼穂形成期以降の前歴期間と冷害危険期における水温ならびに水深管理です。
水稲栽培における生産者の水管理を支援するための栽培環境モニタリングシステムを構築するために、2004年より試行的なシステムを運用しています。
データの取得にはソーラパネルと充電池を用いた気象観測用のデータロガを使用しています。
ランニングコストはパソコンと受信機の電気代、パソコンからデータを転送するためのインターネット回線費用のみの安価なシステムです。
熱画像を利用したほ場排水不良区域の推定
- 産業用無人ヘリコプタによるリモートセンシング技術を活用し、区域内・ほ場内の排水性を評価する。
- ほ場排水改良(暗渠排水)の整備計画への適応性と適応条件を検証する。
ほ場均平作業のIT実用化試験
IT実用化試験(RTK-GPSレベラー)
当財団では、農村工学研究所(つくば市)の主催による「担い手の育成に資するIT等を活用した新しい生産システムの開発」の共同研究に参画しております。
IT活用の新システムでは、高精度で位置情報を取得できるRTK-GPSの活用が有効です。
今回は、実用化に向け開発中である『RTK-GPSレベラー』の実用化試験と『RTK-GPSレベラー』のシステム概要についてのセミナーを、2007年10月10日に深川市において実施いたしました。
RTK-GPS レベラー開発 実証試験
高精度 GPS 測位を活用した圃場整備技術の開発
農業の経営規模拡大と担い手への農地集積、水田畑地利用の促進が求められている中で、作業単位規模の拡大や不耕起、直播、肥料・農薬の空中散布、水管理等において、効率的な機械等による作業体系の導入を可能とする圃場面の均平化は不可欠な条件となっている。
そこで、本研究では、従来のレーザーシステムをさらに発展させて、RTK(Real Time Kinematic)-GPS 測位技術を活用した精密農業の展開によって、農作業等の省力・軽労化の実現と生産コストの大幅削減を目指す。
精密農業と地理的空間情報活用セミナー
低コスト草地工法の開発とGIS・IT農業支援システム
地理空間情報活用推進基本法の成立に伴い、今後精度の高い基盤地図情報の整備が推進されてまいりますが、北海道の基幹産業である農業分野においてもIT化が進んでおり、地理空間情報の活用も活発に行われております。
空間情報を活用した低コスト草地工法について、リモートセンシングやGISを用いた農業支援システムの事例紹介のセミナーが開催されました。
当財団からも、IT活用型草地整備の概要について講演いたしました。
GNSS(GPS)を活用した高生産性農業の支援
GNSS(GPS)を活用した高生産性農業の支援として、次の取り組みを実施しています。
- GPSを活用して、圃場の高低差をマップ化することで、水田の均平作業の効率化を図る。
- 圃場の窪みや起伏を把握し、基盤修正作業などを容易にする仕組みを構築する。
また、ここ数年で急速に導入が進んでいるGPSガイダンス(農作業用のカーナビ)の利用効果等の検討も行っています。
これまでの実施内容は、次のとおりです。
- 水田圃場で、高精度GPSを利用して、圃場高低計測を実施し、圃場均平作業等の参考にしてもらう。
- 代かき作業時等にGPSガイダンスを利用してもらい、その効果を実感してもらう。
- 圃場高低計測結果から、起伏修正等を検討する。
これらの実施結果をふまえ、地域農業におけるGPS活用の支援について検討します。
北海道内のGPSガイダンス導入状況
ここ数年、農業分野でのGPS利用は、実際の農作業利用へと普及しています。
GPSガイダンスシステムは、農作業の経路を示すガイダンスシステム(農作業用のカーナビ)の導入が、急速に進んでいます。北海道内には、平成20年から23年までの3年間で、1,500台程度出荷されています。

北海道農政部技術普及課調べ
GPSガイダンスシステムの活用
GPSガイダンスシステムは、農作業機械の作業幅に合わせて、作業経路を誘導するものです。
GPSガイダンスを利用して、代かき作業を実施しました。水面で作業経路の目標を見失う場合でも、モニターには作業経路とトラクタ位置のずれ具合が表示されるので、画面とライトバーを見ながらハンドルを操作すると、等間隔の直進走行が容易にでき、今回の試験的な利用でも実感されました。大区画圃場では、より効果を発揮することが期待できます。


運転席の正面にガイダンスを設置しました
ガイダンス画面の走行軌跡
ガイダンス画面の走行経路と作業軌跡
等間隔でまっすぐに走行できたので、仕上がりは上々です

GPSガイダンスでは、作業状況の位置情報がGPSデータとして記録されます。
パソコンにデータを取り込むと、作業速度マップなどを簡単に作成することができます。走行経路をリプレイとして再生することが可能です。(注:今回は走行幅を作業幅として設定したので、塗りつぶされていない部分があります。)
高精度GPS(GNSS)の活用
高精度GPSを使用すると、水平精度は2~3cm程度、鉛直精度は5cm程度と言われています。これだけの精度が確保されると、GPSの活用範囲が広がります。
水田では、均一な生育を確保するために、圃場の均平度の維持が重要です。高精度GPSを利用して、耕起作業前の水田の高低計測を実施しました。
トラクタのキャビン天井にGPSアンテナを設置して、キャビン内にはGPS受信機とノートパソコンを持ち込みました。面積67aの水田の計測時間は、約20分です。
高低計測結果のマップでは、高低差は±3cm程度で、白い部分が多いので、均平精度が良いことがわかります。
このように、圃場の高低差が計測後すぐにわかると、その後の均平作業、代かき作業等に便利です。

キャビン天井にGPSのアンテナを付けて、圃場内を走行します

計測後すぐに高低マップを作成できます




