土壌環境 - 『土』を調べる
土壌診断事業
農産物の価値向上を目指して
北海道では平成3年からクリーン農業を推進しており、平成13年3月には「21世紀クリーン農業推進方向」が新たに策定され、環境保全型農業を積極的に進めています。
当財団でも平成3年度からクリーン農業への取り組みの一環として、空知北部地域の農地を対象に土壌分析を行っています。さらに、これらの土壌分析結果とほ場の位置をほ場カルテとして土壌環境データベースに蓄積し、地図情報システムと連動させた土壌診断位置システムを構築しています。土壌診断に基づく適正な施肥管理を行うことにより『安全・安心・品質の高い農産物の生産』などの付加価値を高めることができます。
田や畑の基本性状を調べる
試坑調査とは、ほ場に縦横1m、深さ1m程度の穴を掘り土壌断面の形態や諸性質を調査するものです。土壌断面とは土壌表面に対し土壌を垂直に切った面のことです。作物の根が主に生育する作土層だけでなくその下層の状態を観察することで、土層における水の挙動、作物の根の伸長阻害や透水不良なち密な層を把握することができ、作物を生産する上で重要な情報を得ることができます。当財団では、ほ場の状態を把握するために土壌断面調査を行い、各層毎の土壌の化学性および物理性について分析試験を行っています。
有機物(堆肥)施用による土づくり
循環型社会の形成のために
地球資源の有限性の問題が大きくなってきています。このことから、環境への負荷を可能な限り少なくするために、資源の消費抑制・再利用・再資源化といった資源循環による持続可能な社会の形成が求められています。農業分野においても自然循環機能を活かし、地力増進のために堆肥等有機物を利用した「土づくり」が重要となっています。
堆肥分析を行うことで、より効果的で安全な「土づくり」を行うことができます。
お米のおいしさをサポート
深川米低蛋白化推進運動への関わり
深川米低蛋白化推進運動は、3年以内に深川市の低蛋白米を30%以上生産出荷し、ガイドライン7ランクを達成することを目標としています。運動本部はJAきたそらちの早崎専務を本部長とし、深川市、空知農業改良普及センター北空知支所、営農組合長連絡協議会、深川市稲作経営研究会、深川ぬくもり米生産組合、深川市内酒米生産組合、深川市農民協議会、深川市農村青年部協議会によって構成され、平成16年7月より当財団もアドバイザーとして参加し、低蛋白米生産の取り組みを支援しています。
水質環境 - 『水』を調べる
農業用水路の水質環境
近年、石狩川の水質の変動に伴い、農業用水の水質悪化が顕著となっており、平成15年度も深川市内各地域において、依然として農業用水路の側壁や底面に「藻類・水草」が生息し繁殖している状況が確認され、特に今年度の繁殖は激しく、さらに近隣市町村においても同様の状況が報告されています。「藻類・水草」は、流水中の土砂と合体して用水路壁面の粗度係数を上昇させるため農業用水路の流下能力不足を誘発し、剥がれたものなどはスクリーンや除塵機などに付着して越水被害等取水管理に支障をきたすため、対策を講じる必要があります。
かんがい用水の水質測定結果
濁度値からのSS(浮遊物質量)の推定
近年、石狩川の水質の変動に伴い農業用水の水質悪化が顕著となっています。深川市内の「用水路・水田内の堆砂」や「用水路・水田内における藻の発生」により、かんがい施設や水田に種々の影響が出てきています。当財団では平成13年度から、用水路の堆砂に関する水質調査を中心に行っています。
石狩川水系の水質測定結果
公共用水域の水質測定結果より
北空知地域の大半は農業用水を石狩川から取水しています。当財団では「公共用水域の水質測定結果」(北海道環境生活部)に示された平成4年5月から平成17年3月までの14ヶ年のデータ整理を行い、石狩川の水質の季節変動および経年変化について検討しました。また、これらのデータを地図情報システムに蓄積し、水質診断位置システムに連動させ、地図上で調査地点間の水質分析結果の比較も行ってます。(人の健康の保護に関する環境基準は、別途参照)
河川における環境基準項目測定結果
公共用水域の水質測定結果より
現在、河川の水質に対し人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準が定められ、行政上の政策目標となっています。その他には、大気汚染、水質汚濁、騒音、土壌汚染、地下水、ダイオキシン類に係る環境基準も定められています。
当財団では、「公共用水域の水質測定結果」(北海道環境生活部)に示された平成4年5月からのデータと当財団の水質調査結果を併せ、環境基準項目について整理を行い、地図情報を利用して「水質環境データベース」を構築しています。
また、以下に示す水質および土壌の環境基準項目の分析にも取り組んでいます。
代かき後 水田排水水質 経時変化調査の概要
融雪水影響調査研究
積雪に含まれる酸性成分の挙動と土壌への影響
融雪時の一時期に河川、湖沼、土壌の pH が一気に低下する現象の起こる可能性が近年注目されている。この現象はアシッドショックと呼ばれ、一般には河川の水生生物などの生態系や、周辺の土壌に深刻な悪影響を与えると考えられている。農業環境に対しても、土壌及び農業用水の pH 低下による作物の生育障害等が危惧されている。アシッドショックの起こるメカニズムは次のように推測されている。
- 雪が大気中汚染物質(硫酸イオン、硝酸イオンなど)を取り込み、地上に積もる。とりわけ雪は雨より滞空時間が長いため、汚染物質の取り込み量が多い。また冬季間は化石燃料の消費量が多く、暖候期より汚染物質負荷が多いと考えられる。
- 積雪中の汚染物質は、厳冬期は積雪中に保存されるが、融雪時には一度に溶け出して融雪水の pH を下げ、河川や土壌が酸性化した結果、河川・湖沼生物の死滅、土壌からのアルミニウムや重金属等の溶出による植物の生育障害を引き起こす。
カナダ、ノルウェー、スウェーデン等では湖沼に生息する魚類の大量死が報告されているが、日本ではこのような現象はまだ確認されていない。これは、積雪の酸性化の程度や周辺の地質などの条件が関係しているものと考えられ、日本では主に土壌による中和作用が影響を緩和しているものと推測される。しかし、現時点において「積雪がどの程度アシッドショックを起こす能力を持っているか」を調べることは、特に本道のような多雪地帯の環境に対して重要な基礎データになると思われる。
本研究では、道内でも降雪量の多い深川市において、その基幹産業である水稲栽培を支える水田(試験ほ場)における積雪中の酸性成分を中心に調査を行った。特に融雪期のこれら成分の挙動を把握するため、深さ方向の濃度プロファイルがどのように変化するかを調べ、土壌との相互作用を把握することを試みた。なお、バックグラウンドのデータとして降水(雨、雪)中の各化学成分濃度についても調査を行った。
工法開発・低コスト化
水田基盤整備低コスト化工法の調査・研究(反転均平工法)の事例
反転均平工法の概要
近年の水田農業をとりまく厳しい環境に対応して、北海道空知支庁管内の水田地帯では高生産性水田農業の確立をめざし、ほ場の大区画化や担い手への農地集積が進展しています。そのなかで、生産基盤整備にかかわる事業の効率的・効果的実施、事業費のコスト縮減が重要な課題となっています。
北海道空知支庁管内の北空知地域の水田区画の多くは、入植当時の植民区画(約540m×540m)を基本とし、昭和30年代からのほ場整備事業によって区画整理や用・排水路、農道などの生産基盤整備が進められてきました。
現在のほ場整備事業(大区画化)における整地工は、これまでに整備されてきた用・排水路や耕作道を最大限に活かす観点から畦抜き工法が多く採用され、造成後の一筆区画が1ha~5haと大きいことから、ほ場内での運土距離が長くなり、区画整理工事費のうち整地工事費の占める割合が高くなっています。このように、ほ場整備事業では整地工事費のコスト縮減が大きな技術的課題となっていました。
このような背景から整地工のコスト縮減にむけ、空知支庁北部耕地出張所管内では、従来のレーザーブルドーザにかわり、ゴムクローラトラクタとレーザープラウ、レーザーレベラーを利用した新工法『反転均平工法』の確立にむけた施工試験を実施してきました。また、『反転均平工法』の適応条件を満たし、新工法での施工を希望する受益者に対しては、試験的な施工として平成10年度からほ場整備事業に取り入れてきました。
資源循環・地域環境
有機性資源の循環利用
鹿追町バイオマスタウン構想
【バイオマスタウン構想の概要】 地域の主たるバイオマスである廃棄物系バイオマスによる良質な堆肥の生産、堆肥・消化液の効率的な散布の実施、さらには、バイオガスから得られるエネルギー利用から新たなバイオマス利用技術体系を確立し、耕畜連携の確立と地域住民の連携により自然環境への負荷の少ない循環型地域の構築を目指す。











