平成15年度 農業土木学会大会講演会での研究発表
 平成15年7月8日〜10日に沖縄県那覇で開催された、平成15年度 農業土木学会大会講演会で、調査研究業務の成果を報告いたしました。当財団からは、3課題の発表を行いました。
 

粒状物質における熱伝導率と比抵抗値の変化

(財)北海道農業近代化技術研究センター 
帯広畜産大学 
 ○山崎 祐樹
   土谷富士夫   辻  修   宗岡 寿美
【講演の概要】
 土中の水分および熱移動の研究は、土の凍結が生じる寒冷少雪地帯では、農業の生産性を向上させるうえで必要不可欠な分野のひとつである。特に、土中の温度分布状況を把握するために、熱伝導率が重要な因子となっている。ここでは、液相における伝導性の効果を明らかにするため、未凍結条件における粒状物質の熱伝導率測定値と電気比抵抗値との比較検討とともに、熱伝導率推定のJohansen法の適応性について検討した結果を報告する。


モデル圃場調査に基づく北海道の畑地灌漑の分析(2)
−土壌の水分特性に対応した適正灌水量の設定−

(財)北海道農業近代化技術研究センター 
専修大学北海道短期大学 
北海道立中央農業試験場 
北海道農政部 
 ○小林 英徳   南部 雄二
   山上 重吉
   竹内 晴信
   杉本 信行
【講演の概要】
  北海道農政部では、地域の栽培作物、気象条件や土壌条件と営農形態に適合した畑地灌漑技術を確立し、地域に普及させることを目的として「畑地かんがい推進モデルほ場設置事業」を実施してきた。今回は、2001年までに実証調査を完了した4地区の土壌調査結果と土壌水分ポテンシャルの測定結果から、各モデル地区の土壌水分特性に適応した適正灌水量について報告する。




共和地域における畑地灌漑(2)−ハウス栽培における灌漑特性−

(財)北海道農業近代化技術研究センター 
専修大学北海道短期大学 
北海道開発局 
 ○南部 雄二
   山上 重吉
   近藤 晴義   清水 拓郎
【講演の概要】
  北海道後志支庁管内の共和地域では、畑地灌漑施設の整備により、スイカ・メロンの安定的な栽培が行われている。地域内のスイカ・メロン栽培ハウスで得られた調査データから、適正灌水量、日消費水量を検討した。その結果、土壌条件や生育ステージに対応した適正な灌水が実施されていると評価される。また、ペンマン法による日消費水量の算定には、地域に分布する土壌の水分特性を考慮する必要性が示唆された。